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SL-C750製品レビュー
PDAを超えたモバイルツールを目指すSL-C750

私たちの身の回りには、さまざまなモバイルツールが存在する。もっとも身近な携帯電話、オフィスなどでも利用できるモバイルノートPC、移動中に音楽が楽しめるオーディオプレーヤー、いつでも写真が撮れるデジタルカメラなど、持ち歩くと便利なツールはたくさんある。もちろん、ザウルスをはじめとするPDAもそのひとつだ。
これらのハードウェアが普及する一方、インフラストラクチャ(社会基盤)にも少しずつ変化が見え始めている。たとえば、ブロードバンド環境もそのひとつだが、昨年あたりからはモバイル環境でもブロードバンド対応インターネットが利用できるホットスポットサービスが提供され、定額でネットワークを利用できる環境が整いつつある。つまり、私たちはグローバルなネットワークを通して、世界中のさまざまな情報にいつでもアクセスできる環境にあるわけだ。こうしたネットワーク社会のことを「ユビキタスネットワーク」などと呼んでいるが、シャープのPDA「ザウルス」もユビキタス社会に対応するために、新たなる進化を遂げている。
昨年、ザウルスのラインアップには高精細なシステム液晶を搭載した「SL-C700」が加わり、たいへんな人気を集めている。ペン操作を主体とした「ビューアタイプ」とキー入力が容易な「インプットスタイル」という2つの利用スタイルを1台で実現し、「メール」「インターネット」「表計算」「ワープロ」「プレゼンテーション」という5つのビジネス要素をポケットサイズで可能にしている。この基本コンセプトを継承しながら、さらなる進化を遂げたのがパーソナルモバイルツール「ザウルス SL-C750」だ。



イメージ画像 まず、CPUを最新の高速なものに変更し、メモリの増量とソフトウェアの最適化を図ることにより、全体的な動作速度を向上させ、快適な操作環境を実現している。アプリケーションの起動速度が2倍になったとのことだが、実際に使ってみた感覚もかなり良好だ。これくらいの速度で動作するのであれば、付属のワープロソフト「HancomMobileWord」や表計算ソフト「HancomMobileSheet」で、文書やレポートをストレスなく、作成することができそうだ。
イメージ画像 また、アプリケーションの機能も強化されている。インターネット関連ではWebブラウザとして、定評のある「NetFront」が採用され、メールも新たに2Mバイトまでの添付ファイルに対応している。インターネットアプリケーションが強化された背景には、ホットスポットサービスなどのブロードバンド環境が充実してきたことが挙げられるが、PHSもNTTドコモの「@FreeD」やウィルコムの「Air-EDGE」のように定額で利用できるサービスが提供されており、機能強化による恩恵は大きい。ちなみに、SL-C750はNTTドコモとウィルコムが提供するすべてのCFカード型PHSカードに対応しており、携帯電話も市販品のマルチファンクションCFカードを装着することで利用可能だ。

 同じ通信環境としては、従来から好評を得ている「スマート接続」もさらに高速化されている。スマート接続はオフィスやホットスポットサービス、家庭などの無線LAN環境の設定を簡単に切り替えられるものだ。さらに、ネットワーク接続についてはオフィスへのリモートアクセスなどで利用されるVPN(IPsec)にも対応しており、モバイル環境でもセキュリティを確保しながらネットワークに接続できるようにしている。
イメージ画像 ビジネスシーンでの利用については、新たにプレゼンテーションソフトが搭載されている。PowerPointで作成したデータをザウルスショットでパソコンから取り込んでおけば、SL-C750に市販のグラフィックカードを接続するだけで、ディスプレイやプロジェクターを利用したプレゼンテーションを行なうことが可能だ。さらに、プレゼンテーションシートに手書きのコメントを追加することもできるため、よりビジュアルでわかりやすいプレゼンテーションを行なえるわけだ。

イメージ画像 一方、ビジネス以外の用途はどうだろうか。従来のSL-C700ではMP3形式の音楽データとMPEG-1形式の動画を再生できる「Media Player」が標準で搭載されていたが、SL-C750では、これに替りMP3形式の音楽データを再生できる「Music Player」とMPEG-4形式の動画データを再生できる「Movie Player」が搭載された。MPEG-4形式の動画データは、シャープが販売しているパーソナルサーバー「ガリレオ」や液晶テレビ「アクオス(B3シリーズ)」、ポータブルAVプレイヤーなどでも録画することが可能だ。つまり、昨夜録画したテレビ番組をSDメモリカードに保存し、通勤中にSL-C750で再生しながら楽しむといったことも可能になるわけだ。
記録モード「ファイン」で録画された映像の
再生には対応していません。
 「通勤中は読書をしたい」という人なら、従来モデルからサポートされている電子ブックもおすすめだ。電子ブックはその名の通り、電子化された書籍だが、手軽に購入できるため、最近、にわかに注目を集めている。SL-C750にはこの電子ブックを読むための「ブンコビューア」が用意されており、いつでも好きなときに電子ブックを楽しむことが可能だ。イメージ画像気になるバッテリー駆動時間については、長時間バッテリーを搭載したSL-C760も近く発売される予定で、SL-C750も同じ大容量リチウムイオン電池をオプションとして購入すれば、付属バッテリー利用時の約1.7倍(約8時間30分)の連続表示が可能だ。
 この他にもSL-C750には、アドレス帳やカレンダー、TodoやメモといったPDAとしての基本的な機能が搭載されており、こちらもToDoの内容がカレンダーに表示されるなどの改善が施されている。PDAの基本機能はもちろん、インターネットやメール、電子ブック、音楽・動画再生など、新しい分野の機能も充実しており、まさに個人がモバイル環境で利用するためのユビキタスなツールとして進化している。従来のPDAの枠を超えた新しいパーソナルモバイルツールとして、SL-C750は注目の存在と言えるだろう。



Profile
法林岳之(ほうりんたかゆき)
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を数多く執筆。特に、携帯電話・PHSやADSL、ISDNなどの通信及びモバイル関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」や「できるADSL フレッツ・ADSL対応」など、著書も多数。インターネットではケータイWatchなどに連載する他、impressTVで「ケータイならオレに聞け」にも出演。自らのホームページも公開中。
法林岳之(ほうりんたかゆき)

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