まず、CPUを最新の高速なものに変更し、メモリの増量とソフトウェアの最適化を図ることにより、全体的な動作速度を向上させ、快適な操作環境を実現している。アプリケーションの起動速度が2倍になったとのことだが、実際に使ってみた感覚もかなり良好だ。これくらいの速度で動作するのであれば、付属のワープロソフト「HancomMobileWord」や表計算ソフト「HancomMobileSheet」で、文書やレポートをストレスなく、作成することができそうだ。 |
また、アプリケーションの機能も強化されている。インターネット関連ではWebブラウザとして、定評のある「NetFront」が採用され、メールも新たに2Mバイトまでの添付ファイルに対応している。インターネットアプリケーションが強化された背景には、ホットスポットサービスなどのブロードバンド環境が充実してきたことが挙げられるが、PHSもNTTドコモの「@FreeD」やウィルコムの「Air-EDGE」のように定額で利用できるサービスが提供されており、機能強化による恩恵は大きい。ちなみに、SL-C750はNTTドコモとウィルコムが提供するすべてのCFカード型PHSカードに対応しており、携帯電話も市販品のマルチファンクションCFカードを装着することで利用可能だ。
同じ通信環境としては、従来から好評を得ている「スマート接続」もさらに高速化されている。スマート接続はオフィスやホットスポットサービス、家庭などの無線LAN環境の設定を簡単に切り替えられるものだ。さらに、ネットワーク接続についてはオフィスへのリモートアクセスなどで利用されるVPN(IPsec)にも対応しており、モバイル環境でもセキュリティを確保しながらネットワークに接続できるようにしている。 |
ビジネスシーンでの利用については、新たにプレゼンテーションソフトが搭載されている。PowerPointで作成したデータをザウルスショットでパソコンから取り込んでおけば、SL-C750に市販のグラフィックカードを接続するだけで、ディスプレイやプロジェクターを利用したプレゼンテーションを行なうことが可能だ。さらに、プレゼンテーションシートに手書きのコメントを追加することもできるため、よりビジュアルでわかりやすいプレゼンテーションを行なえるわけだ。
一方、ビジネス以外の用途はどうだろうか。従来のSL-C700ではMP3形式の音楽データとMPEG-1形式の動画を再生できる「Media
Player」が標準で搭載されていたが、SL-C750では、これに替りMP3形式の音楽データを再生できる「Music Player」とMPEG-4形式の動画データを再生できる「Movie
Player」が搭載された。MPEG-4形式の動画データは、シャープが販売しているパーソナルサーバー「ガリレオ」や液晶テレビ「アクオス(B3シリーズ※)」、ポータブルAVプレイヤーなどでも録画することが可能だ。つまり、昨夜録画したテレビ番組をSDメモリカードに保存し、通勤中にSL-C750で再生しながら楽しむといったことも可能になるわけだ。
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記録モード「ファイン」で録画された映像の
再生には対応していません。 |
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「通勤中は読書をしたい」という人なら、従来モデルからサポートされている電子ブックもおすすめだ。電子ブックはその名の通り、電子化された書籍だが、手軽に購入できるため、最近、にわかに注目を集めている。SL-C750にはこの電子ブックを読むための「ブンコビューア」が用意されており、いつでも好きなときに電子ブックを楽しむことが可能だ。気になるバッテリー駆動時間については、長時間バッテリーを搭載したSL-C760も近く発売される予定で、SL-C750も同じ大容量リチウムイオン電池をオプションとして購入すれば、付属バッテリー利用時の約1.7倍(約8時間30分)の連続表示が可能だ。 |
この他にもSL-C750には、アドレス帳やカレンダー、TodoやメモといったPDAとしての基本的な機能が搭載されており、こちらもToDoの内容がカレンダーに表示されるなどの改善が施されている。PDAの基本機能はもちろん、インターネットやメール、電子ブック、音楽・動画再生など、新しい分野の機能も充実しており、まさに個人がモバイル環境で利用するためのユビキタスなツールとして進化している。従来のPDAの枠を超えた新しいパーソナルモバイルツールとして、SL-C750は注目の存在と言えるだろう。 |